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![]() 仲間うちに、「お前ばっかり美味しい思いをして…。公開しろ」などと吠える輩が増えてきて…。また、拙いブログに「ノブヒェン」とか「ノブヒェン窯」などといった検索キーワードも見られるようになってきた。 元来が、自分が毎日食べる程度のパンを安上がりに焼きたくて作った簡易オーブンなのだが、思いのほかに反応も大きいようだ。構造も炎の流れと熱伝導を考えただけだから単純だし、作るにも難しいことなどまったくない。だけに、こんなものでも、誰かが喜んでくれるならそれも嬉しい。と言うことで、この窯の作り方を公開することにした。 ちなみに窯を作って、下の写真のノブヒェンが焼きあがるまでのプロセスを公開しようと思う。 ![]() しかし「ノブヒェン窯」などと呼び名を付けているが、まったく屑レベルの廃材を寄せ集めただけのものではあるし、なにか特別な技術や特殊な工具などが必要なわけではない。だけに人に見せるのは、正直を言えば、ちょっと恥ずかしくはある。 ともあれ、「ノブヒェン窯」の基本部品は、下の写真のものがすべて…。向かって左側が簡易オーブンを構成する火皿とインナーボウルと、かさ上げのためのスペーサーを重ねた状態。そして、右側の柳宗理のボウルは、この簡易オーブン全体を熱が包むように被せるためのアウターボウル。 また、真中の黒いものは古い瓦で作った窯の中に入れて下からの熱をセーブさせるをプレートだ。 ![]() ちなみにインナーボウルは下の3点のパーツで構成される。つまり左側が火皿。真中のものがスペーサーで、右端はなんの変哲もないボウル。 また、右下の小さなリングは、インナーボウルとアウターボウルの間に十分に熱流を回すためのクリアランスの調整に入れる。つまり、このリングの高さを変えることでインナーボウルを包む熱量のコントロールをする。部材は足場用のパイプ。 ![]() そして火皿の材料は、フライパン。つまり、写真のようなフッ素加工された安いアルミのフライパンがボロボロになったものがたまたま手元にあって、これの取手を外して高さを低く加工をしただけのもの。 ![]() で、加工には、右のベビーサンダーという電動工具を使った。だが、別にこれがなくても金切りノコ(通常「弓ノコ」という)とカットした部分の面取り用の適度なヤスリがあればそれで充分だと思う。 ![]() そして、スペーサーも同じように廃品のボウルの縁と底を切り取ったものにすぎない。ちなみにこの廃品ボウルは直径が23センチぐらいのものだった。 ![]() 次は、なんの加工もしていないインナーボウルとスペーサーと、鉄アレイのグリップ部分を切り落としたものなのだけれど、この重しのようなものはあれば便利ぐらいのものだ。ちなみに、おいらはこれの温度加減でノブヒェンの焼きあがり具合をはかっている。(手に包むように持って熱いぐらいならノブヒェンが美しく焼きあがっている) ![]() こちらは、言うまでもなく古瓦。ちなみに耐熱性うんぬんなどと言うほどのことはないけれど、出来れば吸水性は高い方が良い。じつは、そこにこのノブヒェン窯の大きな特徴があるからだ。 ![]() ちなみに火皿やスペーサの加工は下の写真ぐらいの位置関係になるぐらいがベスト。つまり火皿の高さは4センチぐらいで、スペーサは6センチといったところだ。 ![]() で、これにリングのスペーサーを入れて、アウター用の柳宗理のボウルを被せてみた。 ![]() そして、簡易オーブンの使い方は…。 ![]() まずは、古瓦の陶板を入れる。じつはここでは乾いているが実際に使うときは窯の中に蒸気を作るために10分ぐらい水に付け置いたものを使う。つまり、これによって、ノブヒェン独特のバリッとしたクラストが生まれるからだ。 ![]() これに、(本来ならパン生地の載った)オーブンシートを入れて…。 ![]() 次がかさ上げのためのスペーサー。 ![]() そして、インナーボウルを被せる。 ![]() と言うところが、じつは「ノブヒェン窯」の構造と使い方のすべてなのだ。あまりにあっけなくて拍子抜けしてしまうが、まあ、大切なのは、パン生地の発酵状態を計算に入れて、それぞれのパーツのクリアランスの調整と密閉度を丁寧に合わせるぐらいだろうか。 しかし、この「ノブヒェン窯」は、たったこれだけの構造で従来のパン焼窯の常識を覆してしまう。で、その状況を理解してもらうために実際にノブヒェンを焼いてみる。 だが、ここまで読まれた方なら、たぶん大半の方が手捏ねのパン焼きの経験があるだろうから、生地の仕込みまでのプロセスは敢えて外す。ちなみに下の写真は二百グラムの精白粉に適量のドライイーストと砂糖と塩を入れて十五分ほど捏ね、オリーブオイルを落としたもの。つまり、ノブヒェンの焼き上がりを食パン並にふんわりしたクラムに仕上げるために…。 ![]() オリーブオイルに限らず油脂が入るとしばらく生地がまとまらないが二・三分捏ねていればなじんでくる。 ![]() なじんだら、もう一度追加して合計の分量が大さじ一杯程度まで ![]() さらに五分ほど捏ねて、なめらかになれば生地の仕込みが完了。 ![]() 手捏ねが完了したら、これを小さじ一杯ほどのオリーブをオイルを回したボウルに入れラップをして一次発酵に…。ちなみに、ここでは少し特殊な発泡スチロールを使った発酵のための箱を使っているが、まあ、適度に発酵させることが出きるなら、なんでも良いと思う。 ![]() と言うことで、ほぼ一時間で倍ぐらいになったろうか。 ![]() これを打ち粉をした捏ね板に取り出して…。 ![]() 発酵した生地の中の空気を抜くために叩く。つまり「パンチ」と言うのだとか… ![]() で、それをもう一度まとめて従来のパン焼きなら「ベンチタイム」なのだけれど、じつは「ノブヒェン窯」では、必要ない。 ![]() とりあえず次の作業までボウルでも被せて乾かないように…。 ![]() そして、ここからは、このノブヒェン窯を使う熱源の違いによって、すこし勝手がちがう。ちなみに、ここでは自作した「カッヘルオーフェン」を使うが、基本的にはプロパンガスのコンロやキャンプ用の小さなストーブなども使えるはず。 まずは、ストーブ(もしくは、ガスコンロ)の上に火皿をセットして…。(ちなみにガスコンロの場合はできるだけ炎を小さくして…) ![]() で、同時に古瓦の陶板を水につけ置いて…。 もう一度パン生地に戻って…。パン生地を打ち粉をしたオーブンシートに載せてしっとりするぐらいに霧吹きをする。 ![]() 当たり前のオーブンを使ってパンを焼いている方なら、ここで不思議に思うはずだ。そうだ、ノブヒェン窯では、いわゆる「ホイロ」。つまり二次発酵をさせる必要がないのだ。 その理由は、たぶん、従来からの予熱した窯でパンを焼くプロセスに関係する。つまり石窯などでパンを焼くなら、すでに三百度ちかく温度が上がっている窯の中に生地を入れるのだから、十分に発酵が進んだ状況が必要なのだろう。だが「ノブヒェン窯」では、言うまでもなくオーブンを「余熱」するという状況など作りようがない。 つまり、火皿を温めて置くことは出来ても、ボウルが開けてあればオーブンという形態すらない。しかも、ここにたっぷり冷たい水を吸った陶板が入って、パン生地はその上に載せるのだ。 結局、ボウルをかぶったパン生地は、はじめに湿度の高い穏やかな温度の簡易オーブンの中で、まずはゆっくり発酵が進むようだ。で、その後にまったく外気に晒されることなく焼きあがる。 と言うことで、飾り粉をふるう。 ![]() そして、十分に窯伸びが出きるようにクープを入れる。 ![]() 生地の窯入れの準備が済んだら、つぎは水につけ置いた陶板を火皿にセット。 ![]() そして、生地をその陶板の上に載せて… ![]() かさ上げのためのスペーサをセット。 ![]() インナーボウルを被せて… ![]() 柳宗理のアウターボウルを被せて、鉄アレイの重りを載せる。ちなみに、ここでプロパンガスのコンロなどを使うのなら、インナーボウルとアウターボウルの間にリング状のスペーサーを入れなければならない。つまりインナーとアウターのボウルの間に十分に熱を回すために…。そして、鉄アレイはその不安定な状態の重石になるということだ。 ![]() あとは、写真のような小枝や木片を絶やさないように、ただただ火を焚くだけだ。 ![]() そして、ほぼ二十五分ぐらいで黄金色の「ノブヒェン」が、なんの苦もなく生まれることになる。 ![]() どうだ!これ…。 ![]() と言うことで、焼きたてをカットしてカイ・フランクのプレートに盛ってみた。ちょっと見た目が寂しかったので庭先の野草を添えて…。 ![]() と言うことで、おしまい。。 追記をするかもしれない。しかし、ちょっと疲れたので今夜はこの辺で…。
by nature21-plus
| 2011-03-01 22:17
| nob-san Brötchen
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