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![]() しかし、たかだかこれほどの作業。材料費や諸雑費も含むのだろうが、作業前に調べてみたある工務店の見積りは二十六万を少し越えていた。別ルートにこちらで手配した材料は、おおよそ十一万程度。工料をどれほど見たのか知るよしもないが、バブルが騒がれたころならいざ知らず、この業者さん、今の時代にしては少し工事単価が高いようだ。 まあ、すこしリスキーな高所作業だと言えなくもないが…。 ともあれ、出来たら自分の家など、自分で造作するがベストなようだ。そして、もしこれに、たかが波板レベルの屋根の張替えをしたぐらいで「馬鹿なことを言うな!」と思うのなら、五・六十年前の農山村を歩いてみれば良い。近隣に没落した家や廃屋などを解体して、柱や梁、ときには壁土までを集めてきて「我が家を立てた!」というお宅にいまだ数多く出会うことが可能なはずだ。どこかの豪邸や豪農屋敷などならともかく、かつて農山村の我が家など、数人の大工や左官棟梁を中心に、家族総出か、せいぜい近隣の人々の手伝いレベルで建てられた。 残念ながら、今の時代に、そうしたことを可能にする社会的な状況は成り立たない。だが、すこし視点を変えれば、今の時代だからこそと捉えるべき利点もあるはずだ。具体的な例を上げれば、今回、わたしが一人で張ることができた焚き火小屋の屋根の材料がそうだろう。つまりガルバリウム鋼板の波板だ。こんなものは百年前にはなかったはずだ。 建築用のすべての材料が規格化され、誰でもが簡単に手に入ることが可能になった時代に、なぜに「家は買うもの」もしくは「建ててもらうもの」なのだろうと不思議な気がしないでもない。 まあ、その方がコストパフォーマンス的に優れているなどという理由があるならそれも分かる。しかし、現状はどうなのだ。 ときに平均的な市民が二十年も支払い続けなければならないほどのローンを組んで、手に入れた住宅は、せいぜい三十年も持てば良い方だろう。 ちなみに焚き火小屋はスケールこそ大きいが、まったくの掘っ立て小屋だ。元大工だった地主さんが、自分の作業場を立てるための下小屋として古い電柱廃材を利用して、三十年ほど前に建てたものだ。その後を資材置場として使われてきたのだそうだが、豪快で単純な構造のユニークさに、わたしが目を止めた時点では半ば壊れ、倒壊の危険すら感じられた。それを、貸していただいて五年前から少しづつ手を入れてきたのだ。 そしてそのために、これまでに使った資材の大半は建築廃材に近いレベルのものばかりだ。確かに新たに購入した資材費は、別棟の「倶楽部はうす」のそれも合わせれば二百万ぐらいの金額にはなるだろう。 だが、わずかにこれだけで、もう一度、屋根の吹き替えをするぐらいで、たぶん今後に三十年ぐらいは軽く持つだろう。また建築的にもみても、広い畑の真っ只中という環境とのバランスを意識して自分たちで造作したそれは、いわゆる経済などという価値観では計れないオリジナルな心地良い空間をここに関わるすべての人々に提供してくれている。 電柱廃材ベースの掘っ立て小屋がである。確かに、これまでの作業に関わった者に、それを業とする職人がいないわけではない。だが、大掛かりなことは、かつての農村の「結」を意識してワークショップ形式を取り入れて皆でワイワイと楽しんできた。で、些細なことや、面倒なところなどは、今回のようにわたしが一人で遊ばせていただいた。 つまり、「文化とはなにか!?」と言いたくなるような、いわゆる昨今の「住宅事情」を考えると、「我が家」など、この程度に自分で造作の出来るレベルで良いのではないかと思えるのだ。 まあ、「我が家の文化」や、「我が家ならではの暮らし」を大切にしたいと考えるならではというレベルの話ではあるが…。 ともあれ、ヴァナキュラーなデザインを大切に、「巣」作りにも似た建築的な遊びはことのほか楽しめる。しかも、それが美しい田園風景の中の日々に、季節の野菜などを美味しくいただきながらなどなら、「豊かに生きる」に、これ以外になにが必要なのだろうと考えてしまう。
by nature21-plus
| 2010-03-27 22:40
| 焚き火小屋のこと
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