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昨年末、親しい知人から昆布の入ったとても美味しいお餅をいただいた。
ご郷里の能登のご尊父が、遠く島根に嫁いだ知人の幸いを願いつつ、丁寧にカットした昆布を練り込み作られ毎年送られて来るのだという。これが、見るからに美味しそうなお餅だったからたまらない。 一切れを炭火にあぶっていただいて…。その、なんとも言い難い上品な風味に、「これは、襟を正して、贅の限りにいただきたい!」と思われた。 そして、「さて、どうするか!」と考えたさきに、写真の汁椀を思い出した。東京都青梅市在住の漆芸家 二重作 桜さんの塗り椀だ。彼女は、たしか人間国宝の増村益城の数少ないお弟子さんの一人だったように記憶する(のだが、記憶違いか…)。 ともあれ、30年ほど前に足繁く通った東京板橋の工芸ギャラリー「瑞玉」で、この作家に出会い。これを手に入れ、すでに30年がちかい。 一時期、いわゆる陶磁器のコレクションに夢中だったことがあった。しかし、漆器は、聞かされていたその手入れや保存の難しさから手を出すことを止めていたのだが、この汁椀は、見た途端に欲しくなって手にいれたものだった。 以来。ともすれば、手入れの仕方を教えてくれたギャラリーのオーナーなどに知られれば殴られかねない状況に、20年ほどの毎日を当たり前に使ってきた。 「椀なり」とでも言うべきか!。つまり、そのボリュームとディテールと…。また、手に取ったときの収まりのなんとも言えない心地良さと…。そして、口作りの補強に和紙が使われ、それを隠すためもあるのだろうが、見込みから口のまわりまでが、とても色味の良い「べんがら」が塗られたいるのだが、これが永い年月を経て、さながら「根来」のような風合いに変化して美しい…。 だが、じつを言えばこの数年、これを使わないでいた。理由あって、知人に預けて、これを忘れていたわけではないのだが、どうにも戻してもらう機会を逸していたのだ。 つまり、知人のご尊父のとても美味しそうなお餅を、ぜひともこれでいただこうと考えたのだ!。 さすがに数年を使わずにいたからだろうか、すこし痛んでしまったようだ。だが、手にとったときの心地良さは変わらない。これを丁寧に磨き直して…。炭火であぶったお餅を落とし、鷺浦のお塩とカツオブシだけでとった出汁を張って、長ネギと柚子を千切りにして添えてみた。 贅を尽くすとはこういうことを言うのかもしれない。 懐かしい椀なりの心地良さを伴って、かすかな昆布の風味と柚子が香った…!。 ともあれ、この機会をいただいた「花一輪のシアワセ」さんに、大感謝!!。
by nature21-plus
| 2010-01-10 22:29
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