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なんとも難解なテーマだなと思いつつ、Veronicaさんにコメントをふられた彼女のブログの記事を眺めていたら、この「ある愛の歌…」と言うフレーズが脈絡もなく、あたまの中に浮かんできた。
『日本の底辺 - 山陰農山村婦人の生活』 溝上泰子著 「…仕事の帰りに図書館に寄り、書庫に大切に保管されている一冊の本を借りた。 その本は、『日本の底辺 - 山陰農山村婦人の生活』という本で、1958年に発行されている。 実は、この本を書庫から出していただき、手にするのは二度目になる。 最初に手にしたのは、今から4年前の『ベロニカの会』を始めたころだった。会のスーパーバイザーで『しまね自然の学校』の代表から、「これからベロニカの会の>活動をするなら」と、奨められた。…」 この後ろに、彼女が「「田園に豊かに暮らす」を考える女性の会」のこの数年の活動をl通して理解したものに照らしつつ、読み返したのだろうこの本の感想が述べられる。 正直を言えば、最初にその本文を拝見したときに、これはコメントが難しいだろうなと感じた。同時に、彼女が、自身の暮らす環境を、以前にもまして冷静にみているのだなと嬉しくもなった。また、溝上泰子が生きていて、このVeronicaさんの理解に出会えたら、本当に嬉しいだろうなと…。 この本は、溝上が、島根大学の教授だったころ(昭和26年〜)、山陰の農山村を自ら歩き、そこに暮らす女性たちとの交流を通してその暮らしを語り記録してもらい、そのありのままの姿や想いをまとめたものだった。「近代日本にその底辺を支えて来たのは、地方の農山村に家人を思い、隣人を愛しつつ暮らす女性たちだ!」と…。 だが、その溝上が聞き取りまとめたころの農山村に暮らした女性たちの、本来的な文化や、そのいかに豊かであったかを見失ってしまった現代のわれわれの社会に、この名著のタイトルはともすると大きな誤解を生むようだ。溝上の本意は『日本の底辺(を支えた)農山村婦人の(真摯な美しい)生活』であるはずだ。つまり、溝上は、この国をそのシステムとしての底辺部を、家人や隣人への愛を持って支えた、農山村に暮らす女性たちをに感動と強い共感をもって賞賛している。 しかし、これが悲しむべきことにまったく逆に解されるようだ。 これは、自らの都市環境での暮らしの有り様を肯定するに、「都市という中心を支える周辺としての地方や田舎、そして辺境…!。そこでの暮らしが豊かであるわけがない。」と信じようとする結果なのかもしれない。結果、溝上泰子や宮本常一などの著書を前にするとき、われわれは、残念ながらその著者の本来的な内的心象を正しく解せず、いらずらに「日本の底辺というべき貧しく悲惨な生活」などと誤解し、受け止めてしまうかのようだ。 だけに、このVeronicaさんのこの記事にコメントすることの難しさを感じたのだ。 誤解を恐れずに言えば、上津には、いまだ30程前のこの国の農山村の美しい風景が色濃く残る。当然、その風土や風景との関わりに育まれ、大切に受け継がれてきた「伝統的な社会観」もである。その美しいふるさとに生まれ育ち、「ここが好き!」と、この地に暮らし生きることを選択した彼女が、「「田園に豊かに暮らす」を考える女性の会」という仲間たちと連帯し、そのさきに理解し、見つめるものに歪むものなどあるわけがない。 そして、彼女は、その歪まないものに照らしつつ、溝上の『日本の底辺 - 山陰農山村婦人の生活』を読み返した。 数年前に、溝上の生誕百年の記念行事があった。これに関わるあるシンポジュームにパネリストの一人として参加して、溝上を知って…。以後、それなりに詳細にこの先達を理解したつもりだ。 そして、思う。溝上がいまにあって、Veronicaさんのブログに出会うことがあったら、嬉しいだろうなと…。 愛すべき風景の中に、愛する家族とともにある心地良さと、そのどれほどに豊かであるかを感じ理解して…。ときに、母として、主婦として、親しい隣人たちとの関わりに連帯する愉快とともに日々を生きる。 これは、やはり「ある愛の歌…」なのだ!。 溝上が感動し、宮本がその女性史に詳細に記した、農山村風景に豊かに生きる女性たちならではの、「ある愛の歌…」なのだ!。
by nature21-plus
| 2010-01-09 23:50
| 田舎に暮らす
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