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裏をみれば「habitat」と読める。三十年ほど前、池袋の西部デパートの別館だった「ハビタ館」で手に入れたものだと記憶する。
当時、親しい友人に注意を受けたぐらいに陶磁器を集めることに夢中だった。きっかけは、クライミングに出かけたヨセミテで、元進駐軍兵士として立川に暮らしたという老人に出会ったことに由来する。どういう出会いだったかなど、まるで覚えていないが、その老人のお宅に招かれ、見せられたのが、伊万里、鍋島、平戸など、有田系の磁器のコレクションだった。 しかし、そのコレクションがどれほどのものだったのかなど、まるで知る由もなかった。つまり、件の老人に「お前は、本当に日本人か!」と、叱られてしまったぐらいなのだから…。 いわゆる「染付け」の美しさに魅せられて、休日のたびに戦後の関東周辺を土蔵を目当てに探し歩いて手に入れたものだそうだ。だけに、いまにして思い返せば、それらの大半が、つまり「印判手」などで、本当に凄いものは少なかったように思う。しかし、数枚の美しい「伊万里」は、いまでもその図柄を覚えている。 ちなみに、この老人に言われたのが「「栗田美術館」に行きなさい!」だったのだ。 当然、その美術館の創設者が、どういう人物であるのかなど知らなかった。ただ、たしかに佐野藤岡の「栗田美術館」には伊萬里、鍋島などが数万点というレベルの膨大なコレクションがあった。当時の住まいが浦和だったこともあって、東北縦貫道を通いつめ、ここではじめて「日本の器」の美しさに魅せられた。 以来、10年ぐらいのあいだに、九州は苗代川から東北の相馬ぐらいまで、酒器や湯呑、汲みだし椀などを中心に300点ほどを集めたように思う。だが、現在、手元にはそのうち数十点が残るのみだ。 じつに「コレクション」とは不思議なことであるようだ。はじめた当初は「こんな、ゴミみたいなもの!」と思えるものまで手当たり次第に手にいれた。つまり、コレクションのために集めるかのようにである。だが、数年後に、誰かに進められるそれではなくて、自らが本当に凄いと思えるものに出会って、その熱はまさに覚めたのだ。 唐津の西岡小十さんの「湯呑」と、同じ唐津の中里隆さんの「唐津南蛮ぐい呑み」の2点である。 つまり、これらを手に入れ、その後に国宝と呼ばれるような器に触れる機会もあったが、この2点に見比べれば、それらが必ず見劣りがした。こんなことを言えば、「この、たわけ!」と、どこからかお叱りが聞こえてきそうな話ではある。だが、じつにこれが事実なのだ。 だけに、自らのコレクションもその大半を機会あるごとに知人たちに譲ってしまった。しかし、だからと言って、けしてそれらも悪いものではない。ただ、なんだか、それらを誰かに譲るなどして片付けなくてはならない気がしてならなかったのだ。つまり、西岡小十さんや中里隆さんのそれらと、自らが見劣りすると感じてしまったものとがともに手元にあることが、どうにも我慢がならなくなってしまったのだ。 じつに、不思議な気がしないでもないのだが…。 しかし、そうしたコレクションに、なぜか洋食器の類はまったくなかった。別段、嫌いなわけでもない。また「和食器に比べて…!」などと避けたつもりのないのだが、なぜかそれに関心を持つことがなかったのだ。 ちなみに、わたしは珈琲が大好きだ。ここ数日の飲み物を考えても、珈琲以外に口にしていないといっても良いぐらいに好きなのだ。にもかかわらず、この30年ほどのあいだに、いわゆる自分用の珈琲カップの類を手に入れた記憶がない。いや、厳密に言えば、焚き火小屋に接客用のサンプルとして幾つか手にはしている。しかし、それらも自ら好んで使うことはないのだ。 にもかかわらず、なぜか写真の「habitat」は大事にしている。じつは、これは一度、娘に取り上げられた。つまり「お父さんのものは、わたしのものでしょう!。」と…。 だが、あるとき、どうしてもこれで珈琲が飲みたくなって「お願いして」貸してもらっている。 そうなのだ! ほかのカップにはまったく感心がない。だが、この「habitat」だけはときどき無性に使いたくなるのだ。 その理由がなぜなのかなどわからない。しかし、見た目以上に、使いやすいこれが好きなのだ!。 つまり、これも「コレクション」と言うことか!。
by nature21-plus
| 2009-12-09 00:01
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