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焚き火小屋で、さながら主のように「鉄のパン焼き窯」を使う名人が本業やご家庭のことが忙しくて、なかなかにパンを焼く時間がなくなられて…。しかし、なんとなくこの窯で焼いたシンプルなパンが無性に食べたくなって…。 これに、「鉄のパン焼き窯」も本来、自分が作ったことだし…。また当初には自分でも出来損ないのパンを、それなりに楽しく焼いたなどと考えていたところに、とても美味しい蜂蜜が届いたり、貴重な奥能登の塩をいただいたりして、ならばと、自分でパンを焼く気になったのだ。 そして、当然、この手のパンは、つまり発酵さえ失敗しなければ、原則、食べれないパンなど出来るわけもない。焼き上がりが不細工で、人に見せることが憚られるようなそれでも、自分が食べるに困ることなどあるわけもない。 なによりも安上がり。一回に、小麦粉三百グラムぐらいを二日分の朝食とランチ用に焼いても材料費が百五十円程度。これに燃料費はゼロなのだ。しかも、材料はそれなりのものだし、これを焚き火で焼くからなのか、シンプルなパンがなんとも美味い。 これが面白くて、連日のように出来損ないを焼いていたのだが、ここに生来の欲が出た。つまり、出来れば名人のような綺麗なパンが焼きたいものだと…。 考えてみたら、ダッチオーブンの機能をベースに作ったパン焼き窯のさまざまな課題や無駄が見えてきた。 ちょうど、島根県中山間地域研究センターの客員研究員というポジションから、次世代の農山村の暮らしに里山を資源として再利用するための目に見える提言として、「鉄のパン焼き窯」を作って見たいと考えてもいた。 具体的には、数年前に山間部の廃屋を手に入れ、ここに家族揃って入居して、新しい時代の田舎暮らしの実践・研究を始めた知人のところに持ち込むためのパン焼き窯を作る気になったのだ。 だからと言って、なにか専門的な知識があるわけでもない。自分の少ないパンに関わる体験を頼りにくず鉄を寄せ集めて鉄の箱を作るところから始めて、あれこれいじりながら、毎日のように出来損ないのパンを焼く日々がそろそろ二ヶ月ちかくなる。 そして、どうにか新しい「鉄のパン焼き窯」もかたちが見えはじめてきた。そして同時に、この窯のそれなりの完成度が関わるようだ。つまり、焼きあがるパンも、それなりに人に見せられるぐらいになってきた。 これを記事にして、この拙ブログに上げたら、嬉しいことに「食べたい」というコメントをいただくことが何度かあって…。「のぼせもん(出雲弁)」が調子にのって、数人の方に送ってみた。 その過分に過ぎるお礼が写真の果物の山。 わらしべ長者。。そんな言葉がどこからか聞こえてきそう。。 しかし、ふと、考えた。どうなのだろう。おいらが、パンを対価と引換にお譲りしたのだとしたら、この状況は起こらなかったに違いない。 おいらとしては、「おすそ分け」というより「試食して」いただきたかったのだ。なぜなら、持続可能な社会のためのツールとして作る「鉄のパン焼き窯」で焼けるパンが、おいらレベルの自己満足であってはいけないのだろうし、出来れば、可もなく不可もなくといったぐらいのパンであって欲しいと願ったからだ。 そんな思いで送ったパンに、目にするだけで幸せになれるぐらいにこの過分なお礼をいただいたのだ。 つくづく思う。われわれの生きるや暮らしは、いわゆる「経済」や「数字に置き換えられる程度のもの」を頼りに考えてはいけないのだと…。 些細なパンに喜んでくれて、その嬉しさに連鎖した知人たちの優しさや思いやり。そして、感謝のこころこそが、このテーブルの上に山積みなのだ。 おいらは、ただただ「鉄のパン焼き窯」を作っただけなのに…。 しかし、人生ってのは素晴らしい…。
by nature21-plus
| 2010-11-18 11:35
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