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午後になっても猛烈な暑さが変わらない。
夕刻まで山に逃げようと石積み用の石を掘り出しに…。一回戦やっつけて焚き火小屋に戻ったのが、午後も四時を過ぎて…。しかし、いまだ炎天下。 と言うことで、もう一度山に戻る。ちなみに、写真は、一回戦の戦利品。比重計算すればおおよそ五百キロぐらい。これだけの石が無料で、一時間程度ガサゴソするだけで手に入るのだから、資源として活かさないのは、どう考えてみてももったいない。 だが、本当は、これらが容易く手に入れられるレベルに谷が荒れている事実にこそ注目すべきであるのだろう。戦後の復興と、それに続いた経済の高度成長期。自然の摂理や環境のキャパを無視した経済優先の強引な建築用材の植林と、その後の放棄というレベルの無策によって山があれ、本来、美しいはずの谷がこうした石と泥と砂で埋め尽くされている。 一体、どういう事情がこの状況をもたらしたのか。 正直を言えば、いまさら、そんなことを真面目に考えることも馬鹿馬鹿しい。 これは、いわゆる里山といわれる風景が、農山村に暮らす人々にとって本来的にどのような意義と意味を持つのかを考えず。自らの無能無策を棚上げた愚か者が「お国のため」と「儲け話」という二重構造のロジックを駆使して、善良にして巧者な人々を翻弄した結果なのだ。 石を掘り出した山の奥に、朽ち果て土塊と化した幾つかの薪積みの山がある。多分、間伐材。30年ほど前にその山の地主だった巧者な人が、丁寧に切りそろえ、割って積み上げた「我が家の燃料」用の薪だったのだろう。 幾つもの薪積みの山が朽ち果ててある。つまり、これは、その巧者な人が自ら切り出し、山に野積みして乾かした薪を持ち帰る間もないほど急速に「我が家の燃料」が変化したことを物語る。 地域資源の何たるか。また、地域の暮らしや文化が、その風土や風景との関わりにどのような由来履歴を持ち、それを大切にすることの意義や意味を考えようとしなかった愚か者な人々が「産業主義的認識」を背景にして、「生活改善」の掛け声の元に国家レベルで展開した馬鹿げた妄想の結果なのだ。 結果、馬鹿馬鹿しいほど不思議なことに…。農山村に暮らす人々は、その先達が守り育ててきた風土や風景との大切な関わりとそこに豊かに生きる知恵を捨て、それまでの暮らしにまったく必要なかった「燃料費」という大きな負担と引きかえに、ガスや石油という些細な便利を手に入れたのだ。 そして、そうした事情をまったく知らず。いや、まったく関心を持つことが出来ないレベルに、輸入こそが、この国の人々の豊かな暮らしを支えるのだと信じ込まされた都市の暮らしに基準を据えた現在のこの国の無能無策が、この馬鹿げた状況をさらに悪化させるのだ。 不思議なことに、谷の入り口には、この谷が「土石流」の危険があるという標識が、夏草に埋もれて隠されるように立つ。 まあ良いのか!。あと、30年も経てば、この美しい谷は誰も住まない無人の谷に変わるのだろうから…。
by nature21-plus
| 2010-09-02 16:18
| 焚き火小屋のこと
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