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暑い! 今日の風の谷は朝から快晴無風。果樹の梢も野菜の緑も、命あるすべてのものがこの猛暑にただ耐えるかのように微かにも動かない。さすがに今日は「風の谷」の名前は返上して、さながら「油照りの谷」とても言うべきか。
しまね自然の学校恒例の夏のロングキャンプにスタッフと資材を送り出すのに大汗をかいて、これを静めるのに井戸の冷たい水をあたまからかぶる。これでとりあえずは生き返ったが、一度汗をかいてしまったからだろうか、少し動けばどこにいてもなにをしていても滝のような汗が吹き出してくる。 この状態を我慢しているなど馬鹿げたことだ。暑けりゃ涼しくなるようなことを考えれば良いわけだ。 しかし、どうしたものか。。 と言うことで、午後から裏山の植木の谷に石積み用の石を掘り出しに出かけた。 しかし、焚き火小屋からわずかに五分。日陰でもないのに、植木の谷の入り口に立っただけで気温が五度ぐらい違うのだから今更ながらに驚いてしまう。そして、これが、集落を抜け森に入れば、汗に濡れたTシャツが冷たく感じるぐらいに涼しいのだ。 足元には沢走る清らかな水の流れ。そして、頭上には、幾重にも折重なる緑の天蓋。考えれば、これで涼しくないわけはない。しかし、なぜにここには働く人がいないか。 古老に聞けば、かつてこの集落は、植木の谷に沿って奥深くあったのだそうだ。谷川屋、前迫田、後迫田、西谷などなど、いまは風の谷の山際に立派な屋敷を構える古いお宅の屋号がそれを物語る。 焚き火小屋の畑のおばあさんに話をうかがっても、彼女が嫁いだ当時には、まだこの谷の人々の暮らしはこの谷の森と水の流れとともに当たり前にあったそうだ。それが現在まったくない。 わずかに五十年前。人々の暮らす風景は、現在のそれと変わらないのだろう。しかし、その暮らしの環境は激変しているのだ。人の暮らしとは、本来的にその暮らす環境との共生にあるのではないのか。それが、この豊かな環境との関係をまったく遮断して、ある種の社会システムへの強制的な依存を強いられるこの異常を、なぜこの国の人々は真剣に考えようとしないのか。 涼しい森の中で、前回石を掘った場所の修復と、新たな石の堀出しをしながらそんなことを考えた。つまり、宝の山に暮らしながら、働くことの本来的な意義と意味を見失い、お金さえ用意すれば、いつか誰かが豊かな暮らしを用意してくれるだろうと頑なに信じて疑わない人々が増え続ける、この国のじつに不思議な有り様についてである。 今日は暑い! しかし、一仕事のあとに心地良い森を散策すれば、すでに秋の気配が確かにあった。
by nature21-plus
| 2010-08-04 22:21
| 瀟洒なる森の中で
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