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冬の間。寒さと天候の悪さに止めていた外仕事。そろそろ始めようかなと考えていた矢先に、誰それが屋根から落ちたとか、彼が骨折したとか、思わず唸るしかないトラブルが耳に入ってくる。
しかし、こちらも焚き火小屋の屋根の全面張替えという似たような状況に作業する仕事が控えていて…。これに、さて、どうしたものかと考えていた。 まあ、つまり安全管理。焚き火小屋は、もともと柱や梁などに太い電柱廃材が使われた築30年ほどの掘立て小屋。さながら、子どもが積み木細工でもしたようなその構造のユニークさから、廃墟にも近い状況だったものを面白がって手に入れた。これに、重量鉄骨や建築用の角パイプを補強のために組み入み、泥壁や薪積みなど土着性の高い素材の質感とポリカーボネートやステンレスといった新しい素材を組み合わせたおもしろさを楽しんでいる。 その改装の作業開始からほぼ六年。その内部やそれぞれのファサードなどは一段落した。だが、じつは屋根は未だ手つかず。これが築三十年ほどを経て、作業をするにも危なくて上がることもままならないほどに痛んでいる。また、その構造も片流れの屋根だから、作業中の墜落防止用の対策もなかなかに難しい。 こんなことを考えていた先日。ブログにその屋根の修理について記事を書いた。これにある知人のブログのコメント欄に「ザイル付けてのぼったら、よいかも。。。」と、なにげないアドバイスがあったのだ。 まったく、その通り。墜落防止のセルフビレイを取れば済むことだし、もともとクライミングが好きなぐらいだからロープワークなどお手のもの。だけに、当然、それをはじめに考えた。だが、だだっ広い屋根は、先にも記すように片流れの上になんの突起物もなくてアンカー用の支点が取れないことから、その先を考えることさえ諦めていた。 これに、「ダメなんです!」とレスを返そうと書き始めて「はっ!」とした。支点が無ければ、それを作れば良いだけの話ではないかと…。 これも「既成概念」に縛られるということか。 木造の構造物を弄るのだからと、無自覚に「木」の限界に縛られていた。そして、屋根の上になにもないから「為す術ない!」と…。 ゴミにもちかい資材の中から9mmの鉄筋を引っ張り出し、ハンマーで叩いてリングを作る。これに末端にネジを切った丸棒を溶接して三十分で作業終了。リングを大きめにした理由は、運悪く墜落したときに、リングの歪みがザイルの伸びと相まって墜落の衝撃を大幅に軽減してくれるからである。つまりあえて大きくしてリングを歪みやすくしたのだ。このアンカーを屋根の上から梁を貫通いて止めておけば、あとはザイルをエイト・ノットにセットして、プルージック結びかスーパー・アジャスターのようなツールを使えば屋根の上を自由自在に動き回れる。痛んだ屋根を踏み抜こうが風に煽られようが、これでグランドフォールだけはしないで済みそうだ。 しかし、「既成概念」に縛られるとは怖いことである。 また、こうしたことをしてみれば、溶接など「鉄」の加工が出きることがじつに便利なことだと改めて感じさせられた。ここでは一本の鉄筋棒とザイルがあり、切断と溶接が出きるだけで現況ではこの上のないレベルの安全確保を可能にする。 これは「木」の限界に縛られていたらあり得ない。また、仮に違う方法を思いついたとしても、その経費や準備に要する時間はまるで違うだろう。 これから田舎に暮らすようなライフワークを意識する人におすすめする。溶接の技術と幾種類かのロープワークを身につけることを…。
by nature21-plus
| 2010-03-22 00:16
| 焚き火小屋のこと
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