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このところ、わたしのディスクトップに張り付いている焚き火小屋内部の写真である。
数日前に「「田園に豊かに暮らす」を考える女性の会」のVironicaさんがパンを焼きに来られ、彼女が、ご自身のブログ用に撮ったものをいただいた。つまり、晩秋の午後の陽光がここち良い焚き火小屋にパンを焼くシーンである。 じつは、これまでにこういう目線でここを見たことがあっただろうかと考えたのだ。 幼児なら、ちょうど目の高さにパン焼き窯の火があって…!。なるほど、Vironicaさんたちが、幼い子どもたちの安全を徹底的に気遣うことが出きるわけを理解した気がした。つまり、彼女たちは子どもたちと同じこの目線で、焚き火小屋を見ていたのだ。 パンを焼くときの窯の温度は三百度を軽く越える。これを論としては理解していても、じつは、直火を知らない世代であるなら大人であってもそこになにがあるかを解さない。つまり、その目線も子どもたちよりも高いからだろう。火の入ったこの窯に、どれほどの危険があるかが解りにくいようだ。 Vironicaさんたちは、子ども向けのプログラムにこの窯を使わない。理由は、子どもたちの安全を第一に考えるからだ。また、子どもたちの「知ること」に真摯であれば、もっと根源的なところで「火の体験を楽しんで!」と考えるべきだとも言う。 彼女のパンは、じつに贅沢なパンである。その素材の吟味は小麦粉などは言うに及ばず、その燃料となるたきぎの木の種類にまでおよぶのだ。 この窯の構造は、じつにシンプルなのだ。つまり、ダッチオーブンを四角い箱にして、サイドからパンを出し入れしたり、中の様子が見れるようにしただけのことである。つまり、作り手に言わせればだが…。 しかし、これを使いつづけるVironicaさんには、これまで他で経験したそれとこの窯はまったく違うのだそうだ。まず、パンが焼けるプロセスに、自らが、徹底的に関われるのだそうだ。つまり、当たり前の石窯などのように、仕込んで、整形して、あとはそのすべてを窯に委ねるだけ、ではなくて、本当に自由自在と思えるほどに、焼き色や食感などまでもコントロールが出きるのだそうだ。 そして、そのためには「たきぎ」の種類が重要なのだという。 詳しいことは解らない!。しかし、そこまで理解しながら、彼女は、子どもたちの体験のプログラムにこの窯を使わない。聞けば、「仕込んで、整形して、あとは窯に入れるだけ…!」なら、パンを焼く体験にはならない。窯など使わず、自ら直火にあぶってパンを焼く体験こそをしてほしいからだと言う。 つまり、「窯が無ければ、パンは焼けない!」のではなくて、「火があれば、パンも焼ける!」体験こそを大切にしたいのだと…。 そして、同時の「火の危険」も伝えたいのだと…。 こういう女性たちが、この焚き火小屋の「亭主」に育ってくれたのだ。そして、あらためて、この写真をながめてみれば、そこに捉えられたもののすべてが…。つまり資材として、ここを作るに外部から持ち込んだものがないことにもあらためて気付かされた。 厳密に言えば、額装した玉ねぎのフレームや、テーブルの足などになっているくず鉄の類は、ここを作る以前のしまね自然の学校の拠点施設に使われていたものである。しかし、それ以外のすべてが、じつはここにあったものなのだ。 農機具小屋を兼ねた、元大工だった地主さんの作業小屋だった。しかし、そう言えば聞こえが良いのかも知れない。現実は、出来れば解体してしまいたいぐらいの廃墟にもちかい状況にあった。 ただ、膨大なゴミとともに、地主さんが「もったいない!」と二十年ぐらいの間に集めていた建築廃材が山のようにあったのだ。 「焚き火小屋」を誰かに委託して建ててもらうのだとしたら、これらは、ただただ「膨大なゴミ」である。しかし、活かして使えれば、手に入れるに相当な金額が必要になる資源であった。また、この理解にプラスして、この美しい上津の田園風景に、出きるだけここに無いものを持ち込みたくも無かったのだ。 結果として、皆で手分けをして続けてきたこの「焚き火小屋」を作る動きは、まず、そのゴミの分類からはじまり、柱材などは言うまでもなく、古瓦や泥までを大切にしたのだが、ここに大きな意味があったのだと思う。つまり、そうしたプロセスのすべてに関わってくれた「「田園に豊かに暮らす」を考える女性の会」のメンバーだからこそ、じつに真摯な、地元の女性たちならではの活動をここにはじめてくれたのだろうから…。
by nature21-plus
| 2009-11-18 00:00
| 焚き火小屋のこと
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