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知人が、処分に困っていたテーブルを引き取りに来てくれた。しまね自然の学校を立ち上げた当初に、立ち仕事用のワーキング・ディスクとして手作りしたものなのだが、3×8尺、厚みは18ミリの合板を2枚張り合わせて丁寧に仕上げた天板に、フレームには75ミリ角の鉄パイプを使った重量級の大テーブルである。
知人は、マーケティングや産業・農業経営を専門とする研究者である。その彼が、昨年の春から中国山地の山間の集落に田舎暮らしを始めた。理由は様々に有るそうだが、もっとも意識したのは「子どもの育つ環境」であると言う。世話する人が有って、現在の場所に理想的な環境を手に入れ、屋根を吹き替え、壁を塗り直して・・。しかし、そうした作業を繰り替えす中で、何か、もっとも大切にすべきモノが足りないと感じていたのだそうだ。 子どもたちの育ちにもっとも大切なものは「家族の存在」であるだろう。環境として、風景や風土にけして意味がないわけではない。しかし、そうしたもの以前に、彼らが、そのルーツとも呼ぶべき、自分の「本当の居場所」を見失うしわないために、父や母や、兄弟たちとの関係を感じられる状況こそがもっとも必要にして大切なのである。 「子どもたちに『お父さんの大きな仕事机』をプレゼントしませんか!。」という問いかけに、知人は喜んでくれた。「我が家」の中心に、3人の子どもたちが「父の存在」を意識できるものだと思えたのだそうだ。 フレームを切り詰め、高さを70センチに変えても、重量級の大きなテーブルはその存在感を失わない。持ち帰ったその夜に届いたメールに「子供たちが、嬉しそうに天板を撫でている。」とあった。資料や書類やパソコン類が配置され、知人の「使いやすい仕事机」になる前に、元気な子どもたちの最高の遊びの舞台になってくれるのかも知れない。 ともあれ、その大きさ故に置き場所を失っていた大テーブルが、知人の3人のお子さんの育ちに大きく関わる新たな場所を見出した。 処分に困って、解体をも考えていただけに作り手としてはこの上のない喜びである。
by nature21-plus
| 2009-07-21 01:06
| design
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